2020年9月30日水曜日

子ども虐待の相談件数 過去最多を更新 #虐待防止策2020 in 静岡


 昨年(2019年)に静岡県内の児童相談所に寄せられた虐待相談の件数は、児童虐待防止法の施行(2000年)以来、過去最多を記録しました。



 児相への虐待通告のおよそ半分は、警察からのもの。
 なので、全国の児相には昨年度だけで約19万5000人を超える虐待相談があったことが予測されます。

 しかも、今年(2020年)は、コロナ禍によって親子が家で過ごす時間が増えたため、世界中でDVと子ども虐待が急増しています。
 日本でも、今年の虐待相談の件数は20万件を軽く突破してしまうでしょう。

 日本が児童相談所への虐待相談件数を取りまとめたのは、1990年から。
 この相談件数は過去30年間、一度も減ることなく増え続けました。
 なぜでしょうか?

 私たち大人の有権者が、親に子どもを虐待させない仕組みを政治家に求めず、法制化してこなかったからです。
 子どもは親にさんざん虐待された後でようやくその一部が発見されるものの、保護される子どもは相談全件の10%台。

 しかも、親に虐待された子どもの一部は、保護された先での一時保護所や児童養護施設、里親などでも虐待されています。
 厚労省の「被措置児童等虐待」のPDFを見てください。

 その事例の一部として、以下の事実が報告されています。
(※19ページから事例集あり)


 親に虐待された子は、保護された後も職員に虐待されてしまう…。
 こんな不都合な現実も、厚労省のホームページにハッキリ書かれています。

 しかし、子どもが虐待される痛みに関心が乏しければ、地方自治体の役人も気づきませんし、行政から広告制作を受託した代理店も気づかないでしょう。
 だから、静岡県ではこんなビデオを作ってしまいました(2012年)。


 今日では、高校生の約56%が大学へ進学しています。
 でも、児童養護施設で高校生になると、大学進学率は10%台にとどまります。

 しかも、2014年に日本大学の宮里研究会が発表した論文「児童養護施設退所者のアフターケア」では、このように指摘されています。

「施設退所者は身近に頼る人がいないため施設退所後に一人暮らしをしても行き詰ってしまうことが多い。また、自立に必要な資質が十分 に獲得されないまま退所しなければならない状況が多いため、就労状況が不安定で生活が苦しくても、親や親族からの援助を受けることが難しい。
 そのため施設退所者は生活を維持するこ とができなくなり、結果的に、生活保護を受けたりホームレスになってしまうケースも少なく ない。また、犯罪に手を染めてしまったり、自殺をする確率は一般家庭出身の子供たちよりはるかに高いことが、今あらゆる機関の調査で明らかになっている」

 こういう現実に長い間、私たち大人はあまりにも無関心でした。
 静岡県のCMを作った役人を責めることなどできません。
 彼らも私たちと同様、親や保護先の職員に虐待される子どもの痛みを知らなかったのですから。

 私たち有権者は、無関心ゆえに30年間も虐待防止策に失敗してきました。
 「子どもが虐待されたら保護すればいい」で思考停止をしてきたのです。

 そんな私たちが今すぐできることは、誰よりも、親に虐待されても必死に孤独の中で生き残ってきたサバイバーの声に耳をすますこと。

 彼らが何に苦しみ、何に困り、どういう法制度を欲しているのかを知り、そこから「新しい虐待防止策」を政治家・市民・虐待サバイバーのみんなで議論し、議会にはかりませんか?

親からの虐待被害を、政治家の前で話しませんか?

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子ども 虐待防止策2020 イベント in 静岡 12月6日(日)に開催!
 
https://28polka-dot.blogspot.com/2020/09/2020-in-126.html


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